一区切り

先週、母が他界した。

レビー小体型認知症による認知症があり、施設でみてもらっていたこと、諸事情と距離の問題で、なかなか顔を見に行けるという状態ではなかったけれど、健康に問題があるわけではなかったと聞いている。

食べ物を喉に詰まらせて、意識不明からの他界で、月曜日に症状が出て、水曜日に亡くなる。意識は戻らなかった。

その前の週は、桜があちこちで満開で、足元を見れば、桜以外も沢山の花が咲く頃になっていた。花を楽しんだろうか。若葉を慈しんだろうか。春に食べられる植物は蕗や土筆、野蒜、柿の若葉、蓬や藤の花など、つつじの花の蜜、沈丁花の香り、梅の、姿は見えない香りのこと、椿の美しさや苔の柔らかい緑のこと、いろいろ教わっていたことを想う。今年の春も、好きなものに思いを寄せる時間があったろうか。

介護で辛い思いをしたけれど、すべて水に流してしまっていることにも気が付く。

飛び込みたくなるような時間を過ごしたことも、好きな人が知らない人になっていくことを見守らなければいけなかったことも、全部水に流してしまって、気になることがなくなってしまった。もう、一人でどこにでも行ける。

母をみていた人たちに感謝。ありがとうございました。