今日は特別な日。

今日という一日は、ひと疲れする一日でした。
日食をどこでどうやって見るか、そもそも見られるかわからなかったのですから。


今日、時間を決めて何とか外に出てみました。
一番食の進んだ時間を狙いましたが雨上がりの曇り空に
望みもなく、でも今この瞬間に日食が進んでいて自分は今、それを体感している。
と思えば幸せ。そう思っていたときに、ふと明るくなったような気がして
見上げてみると、太陽が見えました。
かけている太陽。
昼間の月のように。
雲をすかして見る太陽は、ほのかにしろく輝いていました。
通りがかった中学生くらいの女の子に、
「日食が見えるよ!」と声をかけたら
「直接見たらいけないって。目に悪いんです」と見上げもせず
去ってしまいました。ああ、残念。
配達のおじさん、散歩の老夫婦、自転車のお母さん。
通りがかった人に声をかけて、束の間の自然現象を楽しみました。


インドネシアに留学に行ったとき、確か、皆既月食のちょっとあとくらいでしたっけ。
言葉のわからない私に、村の子供たちが、砂地に絵を描いてくれました。
辞書を引き引き、聞いてみると
「太陽が食べられた」ということがわかり
漢字に当てはめると「ああ!」気がつきました。
真っ暗になる。ということと、怖かった。ということと。
この子たちはどんなにわくわくしたんだろう。
言葉のわからない私に一生懸命伝えてくれたことを思い出しました。
うれしいよね、きっと。今なら私もよくわかる。


ジャワでは、子供たちを守るために、マットレスの下に子供を隠して
日食をやり過ごしたとおばあちゃんたちに教えてもらいました。
日食を吉兆ととらえるか悪いものととらえるか。
自然とともに生きているといろいろ考えますが
動物が騒ぎ、地上から光が消え、瞬時に夜を迎える。
いろいろ想像してもいいじゃない。
うれしいこと、恐ろしいこと、この瞬間に思い浮かぶ恐れや思い込みや
希望、そうした思いを自然現象の中に放ってもいいような気がします。
今日は特別な日。