中秋の名月に会う。

やっと会いました。
暗い部屋の中に月明かりが落ちているのに気がついて
お勝手からベランダに出て、月を見てきました。
虫の声にひんやりとした足元。夜露が落ちて、私の足跡が残りました。
十五夜お月さんを見ながら、丸いのだけれどかけているような気になるのは
なぜだろうとお月さんをしげしげ見ていました。


十五夜お月さんは満月。満ち足りた月。
満ち足りているからこそ、まとまっていて小さく見えるのかもしれません。
削りどころのないまとまり。
十四夜や、十六夜の月は、少し楕円のぽっちゃりした月。
だから逆にまん丸に見える。どちらも好きなお月さんです。
非があるからこそ美しく見える。
完璧だとなにか物足りない。


遅くまで起きていてよかった。さっき見た時はまだ雲の底だったから。
インドネシアで「mochi」を買って月見団子の代わりにして
玄関前の小さな庭でお月見していましたっけ。
ご近所さんが何してるの?なんて話しかけてきて、のほほんと
日本の習慣を紹介していました。ススキはなくて、お団子にお茶。
こんな夜更けに見るよりも、昇りたての卵の黄身のようなお月さんにお月見団子はよく似合う。
子供のころにそんなことはしたことなかったんだけど
大きくなってから、日本を再発見してからお月見を楽しむようになりました。


好きなお月さんは、昇りたての月。
三日月の細い、イスラムの月。
そして冬の凍てつく空に上がる、真っ白な光の塊の月。
このお月さんを見ると、「異父兄弟で異母兄弟(笑)」と紹介する友人を思います。
まっすぐな視線を。