武蔵野市国際交流まつりへ ちょと衣装のこと。

暖かい朝。そろそろ11月でこんなに暖かいのも、良くないと思いつつ、お日様の暖かさに感謝しながら出発です。

今日は武蔵野市国際交流まつりに呼ばれて踊ってきました。インドネシアは南国の地。冬間近な日本でインドネシアの熱気を伝えるにはそろそろ難しくなってきた季節ですが、お客様の暖かさに助けられました。用意してきた踊りは、バリ島のペンデットとスマトラはランプン地方のムリバタンガイです。

バリ島といえば、華やかな色遣いの中に、力強く輝く金色の衣装。
細かく彫り込まれた皮に金色の彩色、そしてこの皮の下には、真っ赤な地がみえています。
近くで見ると、ため息が出る手仕事です。頭飾りも、良いものを探すと
本物の金をたたいて伸ばしたものがつかわれるとか。高くて手が出ません(泣)
夜、寺院にかがり火を据えて奉納する踊りですから、
炎の明かりを跳ね返すような作りになっています。
ペンデットはお客様をお迎えしたり、寺院に奉納するもので、
バリ舞踊の基本の踊りでもあります。色々種類があって(たぶん、村ごとに違うのでしょう)
見ていて飽きません。

スマトラのランプン地方は、ジャワ島からスマトラ島に渡って最初の大きな町です。
ランプンに行ったことがあります。私の町、ジョグジャカルタから学バスで(笑)
一日と3時間くらいかかりましたっけ。ジャカルタからフェリーでスマトラ島へ渡り
そこから森林地帯を延々と走り続けました。
ここの有名な料理は、何とすいとん!魚味のすいとんは、体調不良を起こしていた私に
嬉しいご飯でありました。港町だけあって魚もおいしいところですが、
蒸した魚を食べて、当たったのは私だけ(泣)みんな美味しいといってわしわし食べてました。
ランプンはタピスといわれる金糸の刺繍の有名なところ。
裾の模様は、金糸の刺繍を施してあるのです。刺繍の柄を見ると、
海側の氏族、山側の氏族、そしてさらに細かくみるとどの氏族かわかるように刺繍されているそうです。今は新しいデザインやコンビネーションも出てきましたが私が手に入れたのは、古典の柄でした。
ムリバタンガイはこの氏族たちの踊りだそうです。建国後、ジャワ人を各地に派遣する
政策があって、ジャワ人も増え、もともとの氏族が目立たなくなってしまったそうですが
踊りの中で衣装の中に残されています。お客様を迎える踊りとして教わりました。
長い爪をつけ、(写真でははずしてしまったけど)時にゆったりと踊ります。

短い時間のワークショップに用意したのは、スマトラ島最西端のアチェの踊りのパターン。
サマンといわれる踊りの種類です。
横一列に正座して、同じ動きをびしっと揃えてなんぼの踊りです。
一つ一つは難しくないんだけど、歌に合わせてだんだん早くなるのが特徴で
高速!といいたいくらい、早めていくものなのです。楽器は使わず
みんなで踊りながら歌を歌うだけ。手拍子も少し入るけど、合唱で踊りもやってしまうという
スーパーテクニックといいたい踊りの種類です。(いろんなパターンがあります)
簡単な動きをみんなでやってみましたが、もうちょっと説明したかったのと
時間の使い方が悪くて、オチまでいけませんでした。ああ、残念。
経験を積んでいかないと身につかないものもありますが、お客さん目の前にして
それも言えません。反省を次回につなげなきゃ。

今日ひとつうれしかったのは。
ご飯を食べてきたところで、ひょと胸を突かれる一言をかけてもらったこと。
「プロだから…」という言葉に、背中を押してもらった私でした。
しんどい時は、思い出そう。それを承知でやってるんだから。

さて。
頭を切り替えて、これでガムランの楽譜を作れるかな。
これも踊りにまつわる大事な作業です。久しぶりのガムラン演奏ですから
踊る人たちのためにも、頑張らなきゃ!