気持ちの伝え方とおたおたすること それから始めの一歩

実は、先日は上大岡チームのお稽古最終日でした。

最終日。
と書くのは辛いのですが、転職したことで私がお稽古を続けられなくなったのでした。
帰国して、上大岡チームを始めたときには考えもしなかったことです。
まず、踊ってみたいというヒトがくるんだろうか。
その心配から始まり、教室を開いてから3ヶ月くらい、希望者がいなかったこと。
来ていただけても、こちらが不慣れで楽しんでもらえなかったこと。
一人教室で待っていたこともあるし、来てくれる方がひとり、のこともありました。
もう、続けていくので精一杯。
仕事と家族のことで、何度かあきらめてしまおうかと思ったこともありましたし。

それでも少しずつ振り移しをしていくのがなれてきたのか
楽しい可愛いみんなに会えて、その中から何人かが結婚し、子供が出来て
しばらくお休みだったり、教室には来れなくなっても
踊りを見に来てくれたり。
そんな人たちに会えて私はなんて幸せなんだろう。帰り道しみじみ浸ることが何度もありました。
だから
教室を、お稽古の最終日はなかなか考えられなかったのです。
あるとしたら
みんながやめてしまって私があきらめる。
という選択肢だけだったのですが。


転職の話が進む中で、みんなの顔を見るのが辛いこともありましたが
にこにこと笑って、楽しく踊る顔をみていると
ほっとする。
かの地の先生たちも同じように感じたことがあるんじゃないのかなと
思ったこともありました。
異国から迷い込んだ私の踊る姿をみて
「そんなにたのしいんだな、たのしいことが伝わったなあ」って。
この半年、よくいろんなことを考えながらお稽古できたなと思います。
それもこれも、上大岡チームや江古田チームのみんなのおかげです。
大事に大事に育てていただきました。
ありがとうとしか、言葉が見つかりません。


一足先に終わった江古田チームのみんなから
旅行鞄をいただきました。革の鞄には何を入れよう?
これから使う仕事道具と思ったけど、今納めているのは、写真です。
上大岡チームからいただいたのは
みんなの名前が入ったTシャツでした。言葉にしないけれども
それぞれにこういう気持ちの伝え方ってあるんだなと
みんなの心遣いにほろりときました。


慣れない環境で、なれない仕事を覚えていく中で
今までは、心の支えになっていた上大岡チームや江古田チームがありましたが
これからはそれがなくなります。
自分から手放した宝物です。10年かけてきたものを手放すのはやっぱりつらい。
こんなにつらいものなのかと。


しばらく仕事を覚える、こなすので精一杯かもしれないけど
踊りの音楽を聴き、環境を整えたら
久しぶりに習う側に戻りたいと思います。
以前、かの地の先生がこんなたとえをしてくれたことがあります。
「ご飯を食べたら、あとで必ずトイレに行かなきゃだめでしょ」
インプットをしたら、アウトプットしていかないと、消化不良をおこしますよって。
だから、日本に帰ったら
あなたは教えた方がいい。初めはうまく行かないと思うけど
学んだものは、インプットしたものは
ちゃんと誰かに伝えなさい、消化していきなさい。
この消化は、自分が学んだことを、自分なりに解釈し直すこと。
誰かに伝えるということは、自分の言葉、表現に置き換えなければならない。
置き換えこそが学んだことを消化していくこと。


どれだけのものを学んできたか。
そして消化してきたかを考えます。
たかだか4年半で学んだものを、みんなの手を借りて10年、消化し続けることができました。
そして今、遠回りしましたが、やってみたかった踊りに近づけるような環境を整えられるかもしれないチャンスもあります。
体力勝負出来るのもあと少し。出来る間に、出来る体力のある間に挑戦したいと思います。
インプットしたらまた、アウトプットもできるように。
二足の草鞋をはいて、仕事も踊りも続けたい。
そのためには早く新しい仕事に、環境に慣れなくちゃ。
いや、慣れるんじゃなくて
自分で準備しなくては。


17年前のわたしも
ちょうど今頃、おたおたしながら、もたもたしながら、不安に駆られながら
初めてのインドネシアで一人、膝を抱えていました。
インドネシアのある方の家で部屋を借りてひとり、黙々と手紙を書いて自分の不安を押え込んでいました。
宙ぶらりんのわたし。不安の中で右往左往してました。何がしたいんだかって。
あれから17年後の私は
宙ぶらりんですが、目の前にやらなきゃいけない仕事が山積みになっている!
大量の言葉の変換作業を前に
ちょと肝を冷やしておたおたしていましたが、すこし環境を整えることができました。
それも一人じゃできなくて、いろんなヒトの力を借りています。
この借りも返さないと踊れない。


独り言のように言葉を書散らしているけれど
こうやって自分を見据えてみる。
でもどこかで誰かの視線を考えながら書いていく。
少しだけど、落ち着いてきました。
仕事しよう。逃げてても逃げられないから(爆笑)


相変わらずおたおたと慌てふためきながらですが
新しい環境を手に入れた喜びに変えていけるように
自分で自分の足をよいしょっと持ち上げて
始めの一歩にしたいと思います。
今日は、6月1日だもの!
せーの!

始めの一歩!