アンクルンと子供達と。  すこしだけ労働ということ

やっとお休みに自由時間ができたので、気になっていたところに行ってきました。


Saung Angklung Udjoというところです。
アンクルンという竹楽器を演奏するだけでなく、西ジャワで上演されている
ワヤンゴレッ(木の人形のお芝居)のデモンストレーションや
踊りも見られるということだったので楽しみにしていました。

環境はとてもいいところでした。
舞台の奥に、楽器の練習場所や、おそらく作っているところや
教育としての場所もそろっているような感じで、竹を使って
植物たちを使って、お金はかけていないけど気持ちの良い空間でした。

ここは子供たちが中心です。小さな子は幼稚園くらいかしら。
歌い踊り、跳ね回る姿は見ていてほほえましくなります。
楽しいだろうなあ、そんな空気が伝わってくるのです。

紹介には、あこがれのtopeng cirebonと言っていましたが
実際にはクジャクの踊り merak でした。
この踊りは中央ジャワにもありますがちょっと違うので
何が違うか目を皿のようにしてみていました(笑)
首やひじ、指先の扱いが違う。うんうん、勉強になります。
振りが大きく違うことはないけど、やっぱり西ジャワだわと一人で納得。



他にもアンクルンを使った伝統音楽やインドネシアの地域に伝わる歌を演奏したり
西洋音階を使ってビートルズやクイーンを演奏したりと
小さな子供から大人まで、経験を積むにしたがって芸が増していくような
そんな見せ方でもありました。
そして英語で説明をし、そのあとインドネシア語だったり
もう英語だけでやってしまったりと、外国人にも分かりやすくしているし
パンフレットはちょと怪しい日本語もありましたが日本語もある。


ええ、よくできたショーでもありました。
最後には体験型を持ってきて、お客さんが全員参加のアンクルン演奏。
これもわかりやすくそしてインドネシアを伝えるにはなかなかもってこいの手法で
これは、私が学んだ舞踊学校でも取り入れたら面白いかなあなどと
考えながら見ていたのです。
子供たちの取り組みはほほえましいし、こうして次の世代へと伝わっていくのでしょう。
大人組の見事な演奏は、おそらく子供のころからかかわってきたからこそできる
演奏なのでしょう。
音楽ですから、色々とアレンジもできるし、新たな曲に挑戦していく楽しみもある。
お客さんだって100人位はいましたから、興行としても成り立つ。
(ドメスティックは 6万ルピア、外国人は10万ルピア)


ひょとどれくらいの人がこのためにかかわっているのかしらと思ったのです。
最多は子供たちです。
子供の笑顔と技に拍手をするお客さんの多いこと。私だってその一人です。
子供たちはちゃんとお給料、もらっているのかな?


私の舞踊団で同じことをしようとしたら
給料の点でちょと難しいかなあと思いました。なぜなら大半が大人だからです。
こちらの子供たちはどうなのかな。
大人に比べたら給料は少ないでしょう。
でも同い年の子と比べたら、よいおこづかい稼ぎになるなあ。
伝統芸能という過去から続いてきた文化遺産
この子たちの生活を支えていっているのかなと思うのです。


マネージメントって必要だ。
今日見たところの大人組は、来週にはアメリカで公演をしてくるという話でした。
そしてこうして書いている私の部屋のすぐ近くのご近所で
今日見てきたところとよく似た音楽が生演奏されています。
たぶん、割礼か何か、お祝い事か何かがあってそれのための練習をしているのかと思いますが
(もしかしたらほんとにお祝い事のために演奏してるのかもしれないけど)
このご近所チームは(勝手にチームにしてますが)
この地域の小さなグループで終わってしまうと思うのです。
世界に漕ぎ出せ!ではなく、生活の一部として続いていくか
いつか消滅してしまうかもしれないものでしょう。
仕事でもそうですが、あともうひねり、がないおかげで
うまくいかなくなることもあるなあと芸能を見ながら考えていました。
将来を見通すこと、マネージメントすること。


そんな生臭い(笑)ことを考えなくてもいいから
ちいさな子供たちが続けていけるといいなと思います。
そのためにも大人たちは資金稼ぎも含め、海外で公演することもあるでしょう。
どんな形でもいいから
守りたいものを守っていく。
今、という時間に合わせて生きていくためにも
伝統芸能のあり方を考えた一日でした。


写真はまだまだあるので、いつかこちらに載せたいと思います。
明日からまたまた正念場が待っているので
今日はここまで。


おやすみなさい。