おもうこと、おもわれること

またインドネシアに戻ってきました。


前の会社での出来事は、はたして辞めなければ伝わらなかったことなのか。
そんなことを考えることもありますが、覆水盆に返らず。
終わってしまったこと、特に自分で引き起こしたことについて
後を顧みず行動をしたことについて、思い返すことはあっても
そこまでにしようと思います。これで最後!


辞めた職場の仲間から、多くのメールをいただきました。
みんなは何も状況を知りませんから、突然私が退職宣言をしたことになります。
もらったメールのいくつかには いつも笑って仕事をしていた私のことが書かれていました。
うれしい言葉でした。
辞める時にわかるというのはよかったというのか、なんというか。少なくとも
退職せざるをえなかったつらい状況は、みんなに伝わっていなかったこと。
短い間でしたけど、みんなと一緒に仕事ができたこと、その喜びがみんなに伝わっていたこと。
あんなことがなければ、ずっとみんなと仕事ができたのに!
悔しいなあ。


遊びに行くから。
そう言って別れてきました。
どれだけ悔しかったか。でも、あのままだと私が持たない。
おかしい状況がこのまま続くのもどうなんだか。


風穴を開けることのむつかしさを感じました。
またそのために、どれだけ体力を使ったことか。


日本に戻って、踊りの仲間のところに行けませんでした。
とても会える体力と心境ではなかったのです。 会いたかったけど
このまま会ってしまうと、仕事の話になってしまう…
踊っていた自分に出会えないもどかしさもありました。
インドネシアにいながら踊らない。
踊る余裕がなかったのは、時間だけではなく、心の余裕も、でした。


私を受け入れてくれる人たちの中で、ゆっくり体調を整えてきました。
食べて寝て、散歩して。
歩く体力、座っていられる体力。やっと背筋を伸ばして椅子に座る体力が戻ってきました。
アレルギーで(コーヒーのアレルギー反応で苦労したのです)荒れてしまった皮膚も
ゆるゆるっと回復してきました。
文章を書いてみよう、ということもできるようになってきています。
こんな体験、そうそうできるわけじゃない。
むしろ貴重な体験をしていたのかなと後から思い返しできるように書き残しておこうと思います。



今度のことで身に染みたのは
話を聞いてくれる人がいることが、どんなに大切なことか。


きっかけになったのは、こちらでできた友人たちでした。
おかしいと思ったことを話してみて、おかしいと答えてくれたこと。
日本の友人たち(会社外の上司のような、相談に乗ってくれた人生の経験者たちも)、
初めて会った人たちも含め、皆々様が話を聞いてくれたこと、助言をしてくれたことでした。
狭い人間関係で働いていると、判断に迷うようなことがあります。
そういったことを相談した時、冷静に判断した助言を頂けたことが大きかったのです。
最後は自分で判断することになるけれど、この助言がなければ
もっと苦労をしたことだったことでしょう。


海外で単身赴任をすることは想像以上に負担があります。
私だけではなく、元上司にとっても一緒です。
彼らの相談相手はいるのだろうか。行き詰りそうになった時、
話を聞いてくれる人がいたり、解消する方法を持っているのだろうか。
そんな心配をする必要なんてないのかもしれませんが、
言葉、文化の異なるところでの単身赴任はむつかしいところがあります。
そこを何とかしないと、となった時
コミュニケーション力が必要です。私には言葉、インドネシア語という
武器がありました。見過ごされそうなものですが、大事な武器になりました。


仕事をしてみて、通訳の評価をしてもらったことはありませんでしたが
(たぶん、当然すぎて評価対象にならなかったのでしょう)
現地の人と冗談を言い合ったり(これが一番楽しい!)、情報交換をしたり、
知らなかった世界を垣間見せてもらったり。交流を通じて得られるものは
情報だけではなく、その人個人の笑顔でした。その笑顔を見ることができたことが
私の中で大きな信頼と安心感につながりました。
あの笑顔をもう一度みたいな、だから会いに行きたい。
こんな話をしてみたい、あの人ならば何というだろう?
異国の地でたどたどしくもコミュニケーションが取れるということがどんなに大事で
勇気を与えてくれるのか。
信じがたい情報であっても、この人が本気で言うのならその言葉について行ってみよう。
そういう少しお気楽な部分もありますが、それで助かったこともありました。


インドネシア語ができてよかった。


いや、まだまだ努力しなきゃいけないのですが。
まだインドネシアだからこの武器が使えますが、ほかの国の人と話をしたくなったら
英語が話せるようにならなきゃ。 話せるようになりたいなあ。


私の思う通訳は、ある人と、ある人の間に立ってその二つをつなぐ空気のようなものです。
だからどちらの側にも立たない。目立たないけど、なくなったら困るもの。


とても幸運(手を差し伸べてくださった方に感謝です)と
偶然が重なって、インドネシアでまた、仕事をすることになりました。
なくなった大好きな友人が「You are a lucky girl !」
とメールをくれたことがありましたが、その言葉を改めてかみしめています。
不安もありますが、lucky girl !と声をかけてもらった分、ラッキーだよ私♪と
信じてインドネシアで生活したいと思います。
新天地はジャカルタです。しかも中心地。大丈夫なんだろか、わたし…(爆)


今度の仕事は日本とインドネシアをつなぐ役割になりそうです。
仕事が始まっていませんから、漠然としていて見当がつかないのですが
二つの国をつないでいける空気のような存在でいたいと思います。
通訳業務もあるでしょうし、それ以外の何かもあるでしょう。
二つの国がお互いに分かり合い、高めあって、嬉しいことを共有していけるような
関係になることを祈ります。そしてそこに少しだけ、お手伝いができたらいいなと。


長々書いてみて、誰宛に書いているのかと突っ込みたくもなりますが(笑)
わたしの近況報告と感謝の言葉です。