お祭り と Reog

昨日の続きです。

中部ジャワにポノロゴという町がありまして。
ここの芸能と言えば、このReog。
トラの仮面にダンスがつくのですが、これでも仮面なのです。
こんなに大きいのに、仮面?かぶるわけ?



このトラ顔の仮面は、裏に木の棒が渡してあって、この棒をわっしと噛みつき
持ち上げます。そして両手でクジャクの飾り部分を持ち上げます。
この仮面単体で40kg〜60kg、それを一人で操ります。
何がカッコイイかというと、ちゃんと踊りになっているのです(こんなに重いのに!)
体の柔らかい人は、この仮面をかぶったまま、後ろに仰向けになるまでのけぞり
また、ぐいっと戻すアクロバットなことをしたり、トラの仮面の上に
子供や女性のダンサーを乗っけて行進したりしてしまいます。



地元の王族にまつわる物語の一節に出てくる場面を舞踊化してあるのですが
上演も昼間で結構長いのですね。もちろん他の場面もあるので、
2時間、3時間位あるんじゃないかな。


いったい何匹分のクジャクの羽を使うのか。
それから、このトラの顔。昔は本物のトラから取ってきていたそうです。
(ジャワにもトラがいたんでしょう)
王宮の踊りのように、様式化され、たおやかに美しく…
というものではありません。グループによって衣装や振りも違う
ほんとにバリエーションに富んだ民族芸能であります。
その粗削りというか、独創性というか。そして時代の波に洗われつつ
進化しつつ今なお喜ばれているこの芸能が大好きです。


これが上演できるのは、それなりの広さをもった場所。
そんなところでガムランの音が聞こえ、人だかりができてくると
そう。屋台も出てきて、子供たちはお小遣いをもって集まります。
お祭りにもってこいなのです。
村を支えるこんな芸能が、ジャワのいたるところで存在します。
今なお、生き続けています。