雪やこんこん

東京は雪でした。
春の雪。
降っても降っても積もらない淡雪。
乾いた空気をしっとりとさせ、植物の芽吹きを促し
春の準備を、春の緑を準備させる雨。
濡れた地面からは、新緑の芽が、花が今か今かと出番を待っています。


今年は土筆が出るのも早いかも。
今年は取りに行けるかしらん。というより、土筆が生える土手が空き地が
残っているかな。野蒜(のびる)も取れるかな。
生え始めの綿毛だらけの蓬。街中で取れる山菜(笑)
私の知る範囲はごくごくわずかですが、
春の味覚は意外と身近に転がっている。


子供の頃、この淡雪をそっとお椀にためて
梅のシロップをかけて食べた(飲んだ)ことがあります。
空から降ってくる淡雪は
子供の私にとっては、聖書に出てきた「マナ」(だと思った)
という食べ物を思い出させました。
神様が地上の人々に、空から「マナ」を降らせて、食を与えた
という話です。旧約聖書だったのかなあ。
うっとりしながら、神様から頂いた「食べ物」としてうやうやしく頂きました。
今から思うと、こどもこどもしたかわいい話です。
空がきれいならば。
この淡雪は、さぞや美味しいことでしょう。
今でも味を覚えていますが、なんとなく、土のような味がしました。
残念ながら私たちの上空は、そんなにきれいなところではないのです。


雪やこんこん。
あられやこんこん。

来週にもまた雪が降るようです。春爛漫へさらに加速してゆきます。