花見日より 想いの桜に
日差しの心地よい日でした。
暖かくはないけれど、寒かった数日間から比べたら
青い空は温かみを帯びていて、人々の心から寒さを取り除いたようです。
商店街も駅前も、ほんのり上気した頬の人達が、足取り軽く上空を見て
歩いていました。
花見ついでにのどが渇いたので珍しく甘いものを買ってみました。
開けた瞬間ふわっと桜らしい匂い。
桜を見ると、ソメイヨシノじゃなさそうな桜も見受けられます。
花と同時に葉っぱを出しているのは山桜のような感じ。
桜に香りはあまりないといいますが
時々ふわりと空気が暖かい香りを放っているところもあり
見上げると、割と白めの花が咲き誇っています。
なんていい匂い。そしてとらえどころのない淡い匂い。
老いも若いも見上げる空に、桜は咲き急ぐかのように
蕾を花をつけています。
「葉っぱもないのに花だけがある」
インドネシアの友人が言った言葉です。
枯れ木に花を咲かせましょう。花咲かじいさんの言葉を思い出します。
「来年もこの花を見られるだろうか」
ある病に冒された人の言葉です。
その人にとっては最後の桜になりましたが、花を満喫しておりました。
桜は不思議な花です。
幼子にとっては学校などの新しい門出を祝う花として。
ある人にとっては
心惑わす花として
心に弱きを持つ者にとって
不安と希望をもたらす。
桜を見上げた時に息をのむ。のんだその先に浮かんだ言葉は何だろう。
花を見て浮かべる笑顔のそれぞれに
この先の幸を祈ります。