とんぼの影

雨上がりに強く香るはくちなしの花。
傷つきやすい真白な花に夏の兆しを思います。夏前の梅雨の晴れ間に、とんぼの姿。夏が来る、梅雨が明けたら夏になる。
いつも次の季節を思います。それが四季のある、日本だから。
今を満足してなお、次の季節を心待ちに出来ることを思うと『美しい日本』で生きているなと実感します。
四季の曖昧なところで、桜を思い、紅葉を思い、雪の舞う鈍色の空を思っていた頃を思い出しました。


小糠雨が降ってきました。音もなく。