梅雨が明けて  うつろう季節

熱風が吹きぬけていっても風があるだけで
涼しいと思う。
髪をぼさぼさにして、着る物を巻き上げて
天の緑をかき混ぜて、地上に落ちる光は止まることなく
きらきらと姿を変えていきます。
夏風は突き抜けるような青さの中で縦横矛盾に走り回って。
待ち望んでいた夏。


足元には緑の小粒が散らばっていました。
小さな銀杏。
夏の始まりに、秋の実りが顔をのぞかせています。
秋の後ろには冬が待ち構えている。


夏を楽しみましょう。
風のある夏を。駆け抜けるような風を。
まぶしい青空に、輝く緑の木漏れ日。
叩きつけるスコール。
雨上がりの緑。どろどろの水たまり。
夕方の子供たちは、もう少しで始まる夏休みを心待ちにしている。


それにしても、日本の夏の暑いこと。
蒸し暑いこと。
かの地のからりとした青空を、乾いた風を
恋しく思います。