雨の匂い 風の匂い

各地で集中豪雨があって、災害で命を落とされる方もいらっしゃいます。
気候変動が明らかになり地球温暖化とセットになって、心配されるようになりました。
子供のころには体験しなかった、スコールが起きるようになっているのだなと思います。


インドネシアには、雨季と乾季があります。(一応、境目には中途半端な季節も存在する)
雨季の時の雨が、この集中豪雨に近い感じです。
スコールの前は雨の匂いがする。
風が変わり、ひんやりすることもあるし、また急に暑くなることもあります。
「ああ、来るなあ、空が暗いなあ」であったり
「黒い雲が空高く伸びているなあ」というようであったりすると
あとはバケツをひっくり返したような雨がどんっと降り注ぐのです。
道の向こうから黒い地面がどんどん近付いてくるような降り方もあれば
風に乗って、ぽつ・ぽつ・ぽつ・…ザァー!という叩きつける雨になったり。
道路はあっという間に冠水。用水路があふれ辺り一面水浸し、
学校に行けば、「教科書が浸水被害にあっちゃって〜」なんて話も出ますが
もともとこういうスコールと生活を共にしてきた人々なので建物の素材や構造、
生活スタイルもそんなに苦労しないように思われます。
床下浸水の床下はないし、畳のように濡れてしまって困るものもあんまりない。
ベッドがぬれるとちょっと困りますけど、電化製品の少ない頃は
スコールで浸水しても、割と何とかなっていたのかなと思います。


スコールは一時的です。短いものは1時間程度で止んでしまう。
建物の中でちょっとやり過ごせば息苦しくなるような叩きつける雨は終わってしまう。
土砂崩れも起きるし、ジャカルタのように、浸水すると2メートルくらいになってしまう
ところもあります。一度被害が起きたら面倒です。でも、そういうことも含めての
生活があるところと、めったにない集中豪雨でつらい思いをする人もいる。


子供のころから、雷と嵐は大好きでした。
守られた環境から窓の外を見て、唸る風や送電線を聞きながら
光る雷に胸を躍らせていました。
いろんな事情が交錯することを理解する年になってからは
おおっぴらに楽しむことができなくなりましたが
今でも荒れる前の
雨の匂い、風の匂いが気になります。
ざわざわと空気だけでなく、私の中身までもかき回す匂い、かき回されてわくわくする私。
被害が拡大しませんように。