秋が来た

今朝のひんやりした空気に、甘いけれど力強い香りに出会いました。葛の花です。夏を象徴するようなたくましい成長を遂げる葛。切っても切っても伸びて空間を埋め尽くす葛ですが、花は紅色の藤に似た花を咲かせます。夏の終わりを告げて、乾いた秋の空に香りを漂わせていました。


それからおしろい花。紅色の花には白い小さな丸い玉。熟せば黒い玉になり、中には真っ白ななおしろいが収まっています。
花は秋の始まりに、おしろい楽しむのは深まる秋に。化粧に縁遠い私ですが、記憶に残る化粧遊びはこのおしろい花でした。
熟した実を割っておしろいを取り出して、顔を染めてうっとりしていたのでしょうか(笑)


あわただしい生活の中で、季節を知るは嗅覚でした。目も耳も忙しく、のんびりと季節を嗅ぎ分けた鼻に感謝です。


立ち止まって見上げた空の高いこと。猛々しく見えていた緑も少しずつ穏やかに準備を始めています。朝の涼しさと夕方の涼しさを楽しめる短い秋の始まりです。