踊りが私を呼んでいる?

天気の良い朝、とにかく家事を片付けておりました。
洗濯、料理、掃除とぱたぱたと動き回って
衣装も縫いだしたり、(工作室は大変な騒ぎです!)
やっと体が動き出した感じです。


ちょとくらい桜もみたいなと思っていたのですが
必要な糸を買いに行かなきゃとミシンの前から立ち上がった時
「あ〜、踊りたい!」と思ってしまいました。
時間を見たら、まだ公共のスタジオが使える時間!
そんなにたくさんできるわけじゃないけど、練習できる!
慌てて出かけました。
踊りたくなったのは、東ジャワのブジャンガンという踊り。
仮面をつけて(真っ赤な顔に長めの鼻のちょと天狗みたいな感じです)の
男性の踊りです。長い物語の一部を引き出して踊りにしたものですが
将軍が戦いに行く途中を描いたものです。
大きめの仮面に、足には鈴をつけて、力強く踊るものなのですが
もうしばらく踊っていませんでした。
それが!
曲を聞いたらとたんに体が動き出しました!
え〜!!!
自分でびっくりです。仮面をかぶって踊るものですから
鼻からの呼吸しかできない。体も仮面をかぶった時の動き方、呼吸の仕方に
なってしまっていて、「こりゃこりゃどうしたものか」と内心思いながらも
踊っているのは私自身(笑)不思議な体験でした。


この踊りの種類はちょっとトランスが入るものもあって
そのことも思い出しました。
いわくつきの仮面というのがあって、その仮面をかぶってその踊りの音楽を聞いてしまうと
仮面が勝手に踊りだしてしまうというのです。
もちろん仮面は顔のみですから、仮面がかぶってしまった人の体を動かしてしまう
というもので、私も実際に見たことがあります。
大学の同期とともに、とある町の仮面の踊りを見に行ったとき
ある踊り手から私の同期が仮面をかぶれと言われて被ったのです。
そしてその踊りの音楽をかけられた途端、急に踊りだしたのです!
そりゃ、私たちは舞踊学科の生徒ですから、踊れて当然と言われればそうですが
習ったことのない踊りを急に踊りだしたのですから
ちょとくらいびっくりしてもいいと思います。
伝統舞踊はうまくできていて、その地域の踊りをある程度知っていれば
音楽の中にいろんな約束事を見つけることができます。それに合わせて
ある程度動くこともできます。でもそれにしてはうますぎた!!!


後から本人に聞くと、
「や〜、勝手に体が動いちゃった」ということでした。
もともとトランス系の踊りをやっていたせいかもしれませんが
(という分野があるということも、実は驚きなのですけど)
仮面の力ってすごいなあと思ったのです。
で、今日自分が踊っている姿を鏡で見ながら
「こんなに久しぶりに踊るのに、いきなりこの動きができちゃうかい!」
と驚いたのです。踊らされてる気分。そしてそれなりに疲れる踊りなのに
(そもそもが男の子の踊りですし)
わしわしと練習できてしまう(笑)
やられた〜という気分で練習していました。
最後に体をおさめるために、女性の踊りをゆったり踊ってお稽古終了です。


でもそれから30分後。
がくんと体力が低下して、古傷がじくじくしてきて足を引きずりながら歩く始末(爆)
体のあちこちが違和感だらけです。
泳いで体をほぐそうと思ったけど、泳ぐ元気もなく(泣)
少し体を鍛えなおさなきゃいけません。それこそこの踊りをみっちり練習したら
きっと体力がつくと思います。そう、この踊りが私を呼んでいるのです、きっと。
今度は仮面をつけてお稽古しよう。そしたらもっと
踊らされてる感じを味わえるかもしれません。
それもいいかな。しょせん踊る阿呆ですから。