小さな実績と大きな希望

やっと縫い終わりました。
二枚目はちょっと楽。
でも、柄あわせは結構大変でした。やっぱりこれに2時間近く時間を取られました。

全く違う使われ方をしている布を使って違う文化の一般的な伝統衣装に作り替える。
ちょと面倒ですが、こうして出来上がるとああよかったと思います。

インドネシアのジャワ島、チレボン地方のバティック。
雲の模様が特徴のこの地域。
鮮やかな色合いもあります。私は白地に紺が大好きだけど、
赤地に紺や目の覚めるような緑だったり、ピンクに赤の雲だったり。
他には、紺地に紫、白地に茶。
浴衣にするなら、白地に紺。または、紺地に白。
同じ染めに出会えるのもなかなかないし、同じ柄に出会えるのもなかなかない。
だからこうして一対の布に出会って浴衣を仕上げられるのは結構嬉しいのです。


バティックから浴衣を作る。
誰が着るの?とは聞かないで下さい(笑)単に作りたかっただけなんです。
誰かいいな〜と思ったらその人の手に渡るでしょう。
限られたものから作っていくのは私にとって、小さな実績です。
見えないところでちょと努力したり、洗濯しやすいようにミシンで作ってみたり。
気軽に着られるように。
いつか、自分でデザインして、浴衣のためのバティックを作ってみたいものです。
注文してみたいし、バティックそのものも作ってみたい。
留学中、バティックを教わる機会がありました。
もうその先生は亡くなってしまったけれど、教わったことはちゃんと覚えているし
生かしてみたいのです。
今年のインドネシア出張で、バティックの道具も買ってきてしまいました。
チャンティンと呼ばれる道具。これで溶かした蝋をすくって模様を描く。
蝋を溶かすための、小さな平たい鍋。
肝心の蝋も用意。蝋を溶かすために使う、小さなコンロは石油コンロなので
あえて買ってきませんでした。日本で使いやすいものを探そう。
染料は日本で手に入る。
布も手に入る。
あと、なかなか手に入らないのは、バティックをするための時間(泣)
これは何とかしよう。努力しよう。
小さな実績を重ねて、いつか大きな希望をかなえよう。


伝統の柄は、なんて力強いことか。
訴える力のあることか。
インドネシアでは伝統のものであっても、私にとっては最新かつ永遠のデザインです。
同じように、日本古来の柄も斬新でかっこいい。
平等院鳳凰堂で見た、伽藍を飾る柄を見た時、この柄で浴衣を作ったら
どんなに素敵だろうにと思いました。そしてその柄は、バティックで作りたい。
最初から無理難題を口にしていますが
小さな実績を積み重ねたら、こうした野望もいつかできそうな気がするのです。