美しいものにはとげがある。

同じ女性ではありますが。


今日、ちょっと勉強していた時のことです。
マックで勉強していたのですが、
隣の妙齢の女性が携帯でどなたかと話をしています。
「取材が遅くなって… ファンが入ってきちゃって… 取材が途切れて…」
お隣ですから、聞き流しながらこちこちと勉強していたのですが
電話を切ってからの彼女が、机の上にまず鏡。
そして化粧道具に、ネイル道具。
携帯をにらみつつ、化粧を始めたのです。


食事をするところでそれはないよなあ、化粧直しくらいならまだしも。
さまざまな小道具を使って化粧をし、ネイルをし、
かばんから、ヘアアイロンを出し、髪の毛をはさみこんでぐいぐい。
鏡に向かって、背中を小さく丸めて、ぎゅうぎゅう引っ張る。
ヒールの高い靴を脱いで、短い靴下を脱ぎ、ネイルにいそしむ。
その角度で膝を立てると、そのワンピースなら中が見えないのかしらん。
するっと立ち上がってどこかへ行き、戻ってきたときには
衣装も替えておりました。別人です。
むき出しの腕や背中にパウダーをすりこむ。
・・・。


そこで勉強するのがいたたまれなくなって立ってしまいました(笑)


マックで勉強するのもどうかと言われれば、ごめんなさい。
なのですが、20分以上かかって変身していく彼女を横で感じていて
同じ女性としてもし、見た目で判断されるなら
完成図の彼女と私は、天と地くらい離れているでしょう。
同じ女性ではありますが、ありゃいやだなと思います。
食卓で、化粧するな!と文句をいう度胸もありませんが
自分でどちらか選べと言われたら、今の自分を絶対選びます。
美しいものには、とげがある。
自ら刺しておいて気がつかないとげ。
とげはなくていい。


飾らない今日の三日月。きれいな三日月には、虫の声が似合います。