ものごとの終わりとコトバ

一緒に踊っていた友人が
もう踊らない
と言ったのです。

インドネシアに旅行に行って出会った踊りを
日本で先生を見つけて習い始めて
新しい作品の度に、わくわくしながら身につけては踊り
衣装の美しさに心踊り、
あちこちで踊りを披露し、楽しみ、研究し、現地まで踊りに行っていた友人ですが、
やり尽くしたというか、満足したというか
もう、充分と。
衣装を手放してもよいと。


体力がついていかない、という訳でなく
ほんとに満足してしまったということ。


そんな瞬間を手にすることがある。
私にはあるんだろうか⁈


見るのも、踊るのも、まだ諦めない。
時間があれば、新しい作品を覚えたい。
飽くなき欲望は満足することをやめません。


最近思うのは
踊りの振りは、コトバ。
コトバをどんな風に伝えるか、話すか、使うか。それはその人それぞれに違う。
型の良さ、伝統の美しさは
コトバの良さ。

どの言語を手にするか。
その言語で何を話すか。

何を。

踊りの中で何を話してるんだろう。
満足しないで何を話そうとしてるんだ。

習い始めのみんなは
手にする喜びやはにかみを伝えています。振りを通して、笑顔を通して。
私はどうなんだろう?

帰国してから10年たちましたが
私はまだ、かの地が大好きなのでした。
踊りだけじゃなくて
良きも悪きもごちゃごちゃにして。
これだと当分は満足することなく
踊り続けていそうです。
始めた頃は、こんなつもりじゃなかったんだけど(笑)
好きってすごいなぁ。
と他人事のように思います。