汽車通勤のこと。帰り道で

仕事場には新入社員の女の子が今月から来ているのです。
大学院卒の彼女は、気の利く人でしかも地元出身なので色々と助けてくれます。
東京ラブストーリー」が好きで、インドネシアで放送されていた頃の話しが出たり(でも、私が観てなくて話が解らず…)日本について質問があったり、仕事について質問があったりと、物怖じしないで聞いてくるので、働く仲間として気のあいそうな感じ。
打ち合わせを繰り返しながら時間があっという間に過ぎていきました。


彼女を送り出し、他の打ち合わせをしてからミニバスに乗り、Danduerからは駅まで歩くこと30分。
電話連絡などをこなしながら駅についたらなんと、バンドン行きがさっき出たばかりと駅員さんがいうじゃありませんか!
20分前に着いた筈なのに⁉


時刻表の改定に気がつかないでいた私。目の前で逃したようでした。電話に出なきゃ間に合ったかも…
しつこく時刻表を問いただし(笑)紙に書いてもらって50分位待つことになりました。


ひょと、裸足の女の子がすうっと近づいてきたのです。
ぶかぶかの服をひっかけるように着てビニールに入ったご飯をもぐもぐさせて、がらんとした待合室で私の隣に座りました。
駅員さんが慌てて彼女をどかしにかかりましたが、声をかけても腕を引っ張っても動かず。
私が席を移ると隣にまた座り込む。
まぁいいや。
居心地がいいなら構わない。


ストレスで気がふれてしまったようだよ、さっきは裸で駅に来ていたから家に返したんだ。
駅で兄さんを待ってるみたいだ。


駅員さんの話を聞きながら、目を合わせず黙っている彼女と時間を過ごしました。
通りかかった人達も彼女をよく知っているようで、駅員さんに何か話し掛けながら通り過ぎていきます。
生暖かい空気が足元を通り過ぎ、あ、おもらししてるなとか、真後ろに回ったとか分かるのですが、そのままにしていました。


私も彼女も、誰でも
大差ない。


いつでも誰でも彼女の側に行く可能性はある。
歳をとってから、或いは何かがあったら。
貧富が歴然としているこの地は、道端で幼い子どもがお金をねだる。
目を向ければすくんでしまうような一面も持ち合わせています。
でも排除せず、それもこれも、一緒くたに生きています。
そうした光景を目の前にして思うこと、考えることは多々あるのですがまだ言葉に出来ません。
私もまた、この地で時を過ごしています。そう、一緒くたに。


この件はいつまでたっても、自分の考えをまとめることができないのかもしれません。


たまに汽車通勤が発生するでしょう。
その時は彼女とまた会うんだろうか。
そうだとしても、彼女と一緒に居そうな気がします。



次回はもう少し、早く帰るように気をつけます。