カリマンタンのロングハウス

昨日の続き、Taman Mini Indah Indonesiaです。
行ってみたいところにカリマンタンがあります。
ボルネオという言葉を耳にしたのは、小学校1年の時(だと思う)。
父がボルネオ島に行ってサルを取材してきたのです。
確か、テングザルだと思います。鼻の長いサルでした。
ボルネオなので、インドネシア側ではなくマレーシア側だったように思います。


私にとっては未知の世界でまだ足を踏み入れたことのない世界なのですが
ジョグジャカルタのバゴンクスディアルジャさんの舞踊学校時代に何人か友人ができました。
まだ、覚えてくれているだろうか。
今でも会いたい友人たちです。彼らはダヤック族(の中でも色々あるらしい)で
ロングハウスと呼ばれる長い長い長屋に住んでいると聞きました。
それがこれです。


熱帯雨林で、耕作地が少なくお米が高いんだと聞きました。
森の中に住んでるんだよ〜という言葉を聞いてもさっぱり見当がつきませんでした。
写真を見たこともあります。映像もあるのだけれど、こうして実際の建物を見ると
ああ、そうなのか!と腑に落ちることがありました。
まず、高い高い高床式。熱帯雨林の林の中にあったら、葉の生い茂る位置に家がありそう。
そして風通しの良さそうな室内。ふんだんに使われている木材。
学校には船で行くこともあったよ〜という話もあった。
地面は地面じゃないかもしれない。ぬかるみや水辺かもしれない。
そうしたらこれくらい高くないと駄目かなあ。
ロングハウスは何世代も続いて住むという話もありました。
古い神話を皆で語り、耳を澄ますことがあったのかなあ。
木が腐らないよう水に長くつけた木を使って建てるとも。

外のバルコニーは丸木が使われていますが、下がよく見える。
高所恐怖症の人には向かないかも。でもこれで下に何かが来た時にわかりやすくなっている。

外には縄文時代の竪穴住居の空中版が!
上ってもよさそうな感じなのですが(実際に上に人がいた)
さすがにこの階段を登るのはどうかなと思って、たじろいでしまいました。
(誰か一緒にいたら登っていたかもしれない)
建物の足場は水中になっていて、カリマンタンでも(そうだ、西カリマンタン州です)
こういうふうに使われているのだなと思いました。
これも伝統的な建物の一つ。床部分に丸い筒があって、ここからごみなどを捨てるのかなと思います。
見張り小屋、みたいなものなんだろうか。
(全く説明を読んでいなくてすみません、勝手にそう思って書いています)
そして階段の上り口には、楽器のゴングの文様が。
大事な意味があるんだろうな。
ダヤック族の踊りの中に、このゴングの上に乗って踊るものがあるという話を覚えています。
何かの儀式に使うようなことだった。こんなことならもっとちゃんと聞いていればよかった。
(当時の言語能力では追いつかなかった内容だとは思いますが、悔しい)

熱帯雨林の中を歩くときは、大きな帽子(笠)を被っていくんだよ。
木の上から蛇が落ちてくるからね。笠を被っていないと飲み込まれるかもしれないから。
(それくらいの大蛇がいるそうです。蛇が笠をみて、笠のほうが自分の口より大きいと
判断すると、狙わないそうです)
僕のうちにはオランウータンがいるよ、欲しい?家の屋根の上を歩いていたりするよ…


という友人たちの会話をひょと思い出しました。もう17年前の話ですが
こういう家に住んでいると、そういう環境になるのかなあと、逆算して思いをはせていました。
父もロングハウスを見たんだろうか。この見張り小屋みたいなものを見たんだろうか?
もちろん展示されているものですから、本物と比べたら全然違うよ!と
カリマンタンの人たちからに笑われるかもしれないのですが
私にとっては、いろんなことを考えたロングハウスでした。
そしてオウムの羽を使った踊りの衣装や木の川の繊維を編んで作った踊りの衣装を思うと
現地で見てみたいなあ、行ってみたいなあと思います。
情報を簡単に収集できる今だから、実際に体験したいのかもしれません。
そしてグローバル化が進んで、こうしたロングハウスで生活している人たちの割合がどんどん減って
現代的な平均的な住まいに移行していく今だからこそ、自分の目で見て触って呼吸をしたいのかもしれません。
電気の発する音のない世界。
生き物の気配と声のする世界。
行ってみたことのないカリマンタンにはまだ、そんな体験ができそうな気がします。