今のうちに

日本では港のある地域の市民だったのですが
そのせいでしょうか、港というところに興味があります。
ジャカルタにはtanjung priokという港があるのでちょと行ってみようっと思ったのです。

この港には以前の仕事で泣かされた覚えがあるところ。
年末年始に日本からの機械が港入りしてから、とにかく荷物が出せない!
後から教わったのですが、年末年始に港入りするコンテナっていうのは陸揚げされてもすぐに引き取れない。早く教えてほしかった…
とはいえ、輸入の手続きや輸入者番号?の取得に非常に時間がかかって、結果としてその時期にしか港入りできなかったこともあります。この手続きでどれだけ苦労したことかと、今から振り返っても仕方のないことですが、現場の港を見たかったのです。

Transjakartaを乗り換えながら1時間ほどでしょうか。
少し田舎くさい感じのところを抜けると、東京三菱UFJ銀行の支店が見えてびっくり。こんなところにあるんだ、港が近くにあるから必要なのかなあ…単純に考えながら、バスに揺られていました。
外を見ると、突然現れるマンション分譲地。併設される商業施設。こういうセットで郊外が開発されていくように思います。東京近郊だと、鉄道沿線+団地やマンションの開発のような感じ。こちらでは鉄道ではなく、高速道路や大動脈のような道路なのかな。


目指す港を示す、コンテナターミナルのようなところが遠くに見えるところまで行けたのですが、Tanjung Priokのバスターミナルまでしか行けませんでした。
途中たくさんのコンテナが積まれたところがあり、もしやここが行政の事務所では??というところまでは見つけたのですが、バスターミナルからは徒歩で移動になるので、それ以上を見つけることができなかったのです。港らしい風景は目にすることができませんでした。


バスターミナルの前に、汽車の駅がありました。
少し煤けたようなヨーロッパのどこかにありそうな駅。
ジャカルタバタビアと呼ばれたオランダ統治時代に作られたのでしょう。
高い天井に白い壁。中はがらんとしていて汽車を待つ人というより、涼みにやってきているのではないかしらと思われるような人たちが静かに時間の流れを待っていました。
外の喧騒が嘘のようでした。80年前くらいもこんな感じだったのか。
自分が時間の境に迷い込んだような不思議な感覚がありました。
表に出たらバイクタクシー(Ojekといいます)のおじさんたちに声をかけられ、どこに行くんだと色々聞かれてあっという間に今という時間に引き戻されるのですが。
表には文化財のようなことが書かれてある看板が立っていました。日本でいう風致地区のような感じです。何があるわけではありませんが、時間の止まっている駅構内の時計や、石を削った飾り模様、そして何よりも静かな雰囲気が良いところです。今ではエコノミークラスの汽車が走っているようでした。



バスターミナルに戻ってTransjakartaに乗ってジャカルタ中心地に向かいました。大き目のターミナル駅、HARMONIというところまで行って、そこから乗り換えるつもりでした。なんでHARMONIなのかなあと思っていると、ターミナル駅のすぐ横に、「Selamat Datang Istana Harmoni」(ハーモニー宮殿へようこそ)と書いてある看板を発見。
レストランだ。駅名のHARMONIの由来はこれに違いない。
これも古い建物で、初めて来たのだから記念に寄ってみよう、お昼ご飯時だしちょうどいいかも。という軽い気持ちでターミナル駅から外に出てみると、閉店していました。
天井が壊れていたりガラスが妙に汚れていたりしていても、全く気が付かなかったのは自分でもおかしくなってしまったのですが、ドライブスルーの看板があっても閉まっていたのに、ぐるっと回って入り口がふさがれていることに気が付くまで時間がかかりました。ああ残念。
全く知らないところで降りてしまったので迷子の気分になりますが、wifi経由でインターネットに繋がると、自分の居場所が地図上に表示されるという便利な時代になりました。この辺なのねと見当がつくと一安心です。電話すらなかなか通じなかった頃を思うとなんて幸せな時代に生きているのかと思います、こうしたちょっとした冒険ができるのですから。

帰り道に寄ったGrand Indonesiaでやっと冷凍の餃子の皮を見つけて、ニラと豚挽き肉を手に入れて帰り着きました。冷凍の皮を使うのは初めてで(シンガポールからの輸入品!)ちょと勝手が違いましたが餃子を作っています。何でもありそうに見えて、意外と欲しいものが見つかりません(笑)バンドンだと、日本のドレッシングや油揚げ、納豆まで売っているところがありましたが、ジャカルタではまだ私が発見できていません。あったら嬉しいけど、なかったらそれはそれでも大丈夫ですし。
途中途中で、あそこに行ってみたい、以前公演した舞台はどうなっているのか見に行ってみたいなど、歩いて移動してみると、気になることが出てきました。これからも気になるところを回ってみたいと思います。今のうちだから。