マングローブの密林 マドゥラ島へ行ってみた

お客様の案内というかなんというかで、マドゥラ島へ行って来ました。
空港からお客様をお連れしてマドゥラ島へ一直線。

車でスラバヤの街を抜けていきます。
中華街あり、問屋街あり。
インドネシアの東部分を一手に担う港はTanjung Perak。
クロンチョンでも有名な歌がありますが、港の近くは大賑わいで
活気があって、でもジャカルタほどごちゃごちゃしていないのが
歴史あるスラバヤの顔なのでしょう。
すっきりとした大通りに歩きやすい歩道。
高い建物も少なくて住んでみたい街でもあります。


マドゥラ島に橋を通過して上陸。
初めてマドゥラ島へ行った際は、まだフェリーだったこと。
そして言葉が話せなかったのに単独行だったこと。
あの頃はなんと怖いもの知らずで勇気があったことか。
いや、勇気なんかなくて、びくびくしながら、必死に平静を装っていたのです。

島の中はのほほんとした南の島の田舎風景が広がっていて、
時々バティックのお店があったりするものの、大きな町のない風景でした。

島を回って、海岸に出て、という予定でしたが、とにかく海岸に
出る道がない。グーグルマップでその場検索をかけつつ
それでも見つからない。



道は海岸線の手間でなくなってしまうのです。
走っても仕方ないと。車の入れそうな小径を見つけ、
近所のおばちゃんに道をきけば
西へ向かえと返ってくる。
西って太平洋を正面に見た場合、左側を指している…
そうだ、ここはジャワ文化。右左じゃないんだと
上司とお客様に説明しつつ、ひと様のお庭を抜けて
目の前に広がったのは、マングローブの密林でした。
初めて本物を目にしました。

どれだけこの密林を抜けたら海にたどり着くのか、
いやこれも海の一つの形なんだと。
お客様と話をしながらよくよく見ると、子供たちの姿がありました。
はだし?
水面に近づく私に、後ろから上司が一言。
そのまま入ったら、怪我して破傷風になるよ!

事情がわかっていないよそ者が入ることのできない海です。
子供たちは笑いながら水遊びをしているのでしょう。
とおくから、ちかくから、笑い声がしんとした林に
響いておりました。
この子達はたくましいなあ。


道を聞いたおばちゃんが漁師の旦那さんを持つ方だったので
その日に取れた魚を見せてもらったり、田舎の路地をぬけたりしながら
マドゥラ島を案内してきました。
ご飯が美味しかったこと、マドゥラのバティックを堪能してきたこと、
こちらも楽しかったのですが、なんと言ってもマングローブ
直接見たことが一番印象に残りました。
上空にはたくさんのトンボが飛び交って、
白い砂浜からにょきにょき生えているマングローブ
そして姿の見えない子供たちの笑い声。
ああ、海外にいるんだなあ、未知の世界を目の前にした時の
心もとさを久しぶりに感じた時間でした。

ありがたいのは、お客様とはいえ、仕事仲間とはいえ、
一人ではなかったことです。
こういう時に陥りやすい孤独感に襲われることなく
ジャカルタまで戻ってきました。