できなかったことを一つ終わらせてみた バタビアの海

電動自転車を買いました。
インドネシアのSelisというメーカーから出ている、バタフライといいます。
いつもはバタと呼んでいます。私の足です。


自転車であっても電動バイクのような使い方が出来ます。アシスト自転車としても
使えるのですが、急勾配の坂で無い限り、漕ぐことはあまりしていません。
一度充電すると30km位は走行できるので、少し遠出ができるようになりました。


ジャカルタは日本のように電車など公共交通機関がしっかりしていなくて。
タクシーやバス、またはバイクタクシーでの移動を強いられる生活は結構大変で
自分の足が欲しくなります。
立ち止まったり戻ったり、時には道に迷うこともあるけど
それでも自分のペースで移動できるんだ!かなり幸せなことです。


やってみればたいしたことではない、けれど実行できなかったことの一つに
Sunda Kelapa港に行ってみる、がありました。
自宅からは片道13km位。iPhoneでGooglemapナビを見ながらバタで走ります。
時速は早くても20km位。電池がどれ位持つのかもチェックしながら
雨上がりを走り始めました。


ナビ上では30分位でしたが、もう少しかかってるかな。
寄り道したりしながらきょときょとしながら知らない街を
走って行きます。電動自転車が珍しいのか、交差点などで質問されながらの
小旅行です。

オランダ時代の建物は、華僑の方が使用されているようでした。
古い建物なのに、手入れされていてまだ現役です。
倉庫だったのか、長い建物にはレストランが2軒入っていました。


港のゲートをくぐったら、いきなり別世界が広がった。


木造船がずらりと並び、細い木のハシゴが船と陸を繋いでる。

船に乗るかい?
何度も聞かれたけど、このハシゴと言うか板を渡るのはちょと怖いなあ。

お決まり!といいたい位、船から海に飛び込む少年たち。
パンツで飛び込む、または素っ裸で飛び込む。
しなやかで無駄のついていない体は、さかなのように波間に浮き沈みしていました。
海風の強い中、寒くないの?
と聞いたら
さ む い! と大声が帰ってくる。
ぽちゃんぽちゃんと飛び込んでは船に這い上がりまたぽちゃんぽちゃんと海へ。
おそらく百年前も同じ光景だったんだろう、
私のような異邦人も同じように目を丸くしてみていたんだろう。



木造船とコンテナが並ぶ風景は、今と過去が交錯するように見えます。
木造船でバタビアからシンガポール、マラッカ、はては
インド洋まで繰り出していたんだろうと思うと移動に対する時間と生きることを改めて考えます。
高丘親王航海記を久しぶりに読んだからかもしれない。


本を読んだり、出かけてみたり。
今までできなかったことに手をつけた記録をつけていきます。