約束を果たしに。

なぜだかわからないのですが、
亡くなった父の看病をしていた時に、ひょと父が
「またヒマラヤ見たいなあ」ということを言ったのでした。
仕事で映像を撮りに行ったり取材で行っていたこと。
散骨はヒマラヤと、九州の干潟と、なんて話になったことも
覚えています。
生きてるんだから今から死ぬこと話さないでよ、
良くなるんだから、退院するんだから、と言いながら
3年持たないかも、とお互い思っていたような頃の話です。

別の機会にも、
「あそこは一度行っとけ。お前の好きなものがあるぞ」
と言われました。
娘がインドやチベットの音楽や布にはまっていたことを
知っていたからでしょう。
ということを思い出したのが、5月。
6月は父の誕生日なのでいろいろ思い返していた頃です。
供養がてらに行ってみようか、カトマンズ
あそこならヒマラヤ見られるかも。
ひょいとチケットを予約して忙しさにかまけた
生活をしていましたが、ぎりぎりまで仕事して行ってきました。
久しぶりの一人旅です。

ヒマラヤは窓の向こうにありました。
遊覧飛行もあったけど、今回は窓の向こうを見ながら
父さん、同じ風景を見たんだろか、初めて見た時はきっと
大騒ぎしたろうなと想像しながら眺めていました。

父との約束を果たす旅を勝手に始めてしまいました。