ミラノ万博に行ってきた

ヨーロッパは初めてです。
思い立ったら決め所、あと先考えずにチケットを取ってきてしまいました。

食がテーマだからか、万博ってそういうものなのか、わかりませんが
広い会場に趣向凝らしたパビリオンがずっと続いて、ああ争いが、戦争があっても
こうして一同が揃うっていいなあと思います。
名前しか知らない国が素晴らしいデザインのパビリオンを建てて
その地の食べ物や物産を並べてある。
世界に誇るっていろんな方法がある。
恐怖心を煽り支配することもあれば、芸術や環境、制度で誇ることもある。
お互いの優劣をつけたい、秀でたいならこういう形で競えばいいのに。
戦争なんてあほらしいと思います。

砂漠の地域に生きる国は、水を使った建物が多かった。
水路のように水を流す、箱庭のような美しい庭を展示する。贅沢な水。
砂漠に必要なオアシスの存在を展示しているなんて。
それだけいかに水が必要なのかを思い起こさせる展示もありました。
一番好きだったのは、ベルギー館。
水槽には魚を飼い、糞などが水に溶け込んでいく。その水を栄養とする
植物プラントが丸い輪のようにセットされていて、中心の軸にはLED照明が
太陽の光を代行する。
根は水の浄化を手伝い、魚は肥料を提供する、小さなスペースでもスタートできる装置は
宇宙空間へ進出する時に野菜工場として使えるのかな、また冬の長い地域に
新鮮な野菜を(魚を)提供できるようになるのかなと。
チョコレートもビールもありましたが、これが一番です。

他にも、大きな野菜プラント工場の模型や、建物の壁をガラスにして、プラントを
ぎっしり並べている国、アメリカ館の至る所にプランターが下げられていて
もうすぐ収穫できそうな野菜があったりするのも面白かった。
エネルギーを効率よく使っていくための会社紹介や、伝統食、キムチを
テーマにした韓国の展示は、持てる最新機器を使用して、国力を見せるような感じ。
キムチ壺が整然と光を変えていく姿はそれだけ単独で楽しめる。
以前はお金があって開発が可能な国しかできない、先進国の持ち駒
だったようなことが、今では色んな国ができるようになってきたのかなとも
思う展示の仕方が、プロジェクターを使った展示でした。触れることで
色々な情報を物語を提供する方法や部屋いっぱいに広がる違空間を提供する。
ホログラムの展示が面白かったサウジアラビアや4D映像で魅力したところ、
VRで観光地を歩いてみる、といったところとか。
日本館も面白かった。
日本、という紹介をする入り口に、文字を使った展示は流れるような筆跡の美しさを
感じることができたり、四季を体験できる空間の映像の美しさ(もっとたっぷり見たかった!)
滝の中から季節を感じる食べ物の情報を拾い出すそうな装置も。
時間が限られること、かんかんに暑い中長時間待つのが辛かったけど、もう一度見たかったです。90分以上あの暑さで並んでいるのはちょとヘタレて他を見に行ってしまった。

バオバブの木の下で踊る、という説明があったアフリカの国の踊り、
こじんまりした北朝鮮館、お米の国々の展示、パレスチナなどの紛争地域からの出展。
それぞれに色々考えてしまう。自分の知らない国、知らない文化、状況。
それを一堂で見られる万博って足を運ぶ価値があると思います。

そういえば、シンガポールが出展していなかった。事情があるのかな。

小さな共同のパビリオンで展示している国は、その地域のごはんが楽しみだった。
どの国の展示にもレストランが併設されていますが、小さな展示のところは
そのレストランがメインみたいな感じがあって、飲み物のつい手が出ます。
目の前でギュギュッと絞ったザクロジュース、薔薇から作った飲み物、
サングリア(昼間からアルコールが売られています) 、冷たいアイスはどれだけお世話になったか。(イタリア的なごはんをあまり食べていません)
2日で回る予定でしたが、3日あっても回りきれませんでした。
肝心なイタリア館とイタリアのワイン館も行ってない。
パレードがあったり、あちこちでライブがあって、全部楽しむには一週間くらい
かかりそうな気がします。またどこかで万博がある時は見に行ってみようかなと思います。