いつかは来ない

以前の会社の元お客様から、連絡があることがあります。
セミナーで、お祭りで、レストランで、お電話で。
お声がけいただける、覚えていてくださる、というのは嬉しいことで、営業でもなく、人前に出ることが少ない私でも覚えていていただけたのだなあと、お会いした後一人で当時のことを思い出したりします。多くのお客様に恵まれて忙しいながら、お客様に迷惑をかけないよう努力していたのだと思います。

中には魅力的なお客様もいらっしゃいましたので、お仕事のこと、インドネシアに進出される時の苦労などお話を伺うことが出来ると、世界にはこんな企業があり、世の中とこうした形で関わることが出来る!と井戸の中の蛙の私は、働くことの面白さ、企業の一員として異国への進出を行う方々にお会い出来る楽しみを教えられました。一か所に居ながらもいろんな業界の方とお話が聞けた、それがあったからこそ、続けることができた職場でした。

でも、お客様の皆様は、いずれ帰任されてしまう。
一期一会の出会いでしたらこそ、聞けたお話だったのでしょう。もっとお話を伺いたかったし、色んな話を聞いてみたかった。自分から機会を求めてみても良かったはずなのに行動を起こさなかったのは、自分は営業じゃないし、忙しくて時間ない。という一線を引いていたのです。
いつかまた、お会いしましょう、来年手続きの時に、お会い出来る、といういつかは来ない。
転職してしまったら尚更です。風の便りで彼の方が日本へ帰任されたというお話を伺う度に、ああ、聞いておけば良かった、お会いしたら良かったと名残惜しむ気持ちがあります。
いつかは来ない。

会いたいな、やってみたい、思った時に動く。いつか、はないのです。行きたいところも見てみたいところも会ってみたい人も、いつか、を待っていてはいつかは永久に来ない。
だからこそ一期一会の出会いの際、わくわく出来る話を聞くことができたら遠慮しないでその続きを聞いてみる。敢えていつもならしない話をしてみる、受けてみる。そこから何を見つけるのだろう?

引越しをして荷物を片付けて、色々処分して。急転直下での引越しでしたが、動いて見て良かった。小さいけれどお客様の寝室ができました。作業台も手に入れて、お稽古出来る鏡もある。いつかを後回ししない生活しよう。