ジャカルタのデモのこと 11月4日

11月4日、ジャカルタで大きなデモがありました。
訴えの内容は、現在のジャカルタ州知事が他の宗教(イスラム)に対して侮辱するような発言を行なったということなのですが、内容はさておき、インドネシア、または、ジャカルタが迎える久しぶりの大きなデモということで、日本大使館から再三の注意勧告出るものでした。
結果を先に言ってしまうと、暴徒化したデモ隊のニュースが大きく日本に報道されています。
このデモは少し面倒で、ジャカルタ州知事選挙を見据えながらもジョコウィ政権の足を引っ張るという面もあり、デモ隊は地方から集結、誰がその費用を出したのかなど考えることも多いのですが、少し書き残そうと思います。
デモの開催を伝えるニュースとともにジャワ島やスマトラ島各地からデモ隊出発するニュースも入るようになり、色々心配事項が出てきました。
1 非常事態をどう定義するか
2 非常事態時の対応
大きく分けるとこの二つ。非常事態って何だろう。どの段階で皆を帰宅させるか、場合によっては日本人を緊急帰国させるか。
そんなに大変なことにはならないと思う、という楽観論もあります、1998年の騒乱を知っている私は可能性はゼロじゃないと思う。地震などの自然災害とは違うので、さあどうしたものか。こういうことは海外に生活する場合、いつでも念頭に置くものかと思います。
正しくデモ隊が行動したのはしていました。大勢の人が集まっているのに何も起こらないという安堵感もありました。ツイッターなどで見られた、デモ隊と警察の仲睦まじい姿もあり、ああ、ここも少しづつ感情に振り回されない、理性の伴うデモができるようになってきたと感じることもありました。水を分け合い、ゴミを拾い、破壊活動をしないデモ。
夕方6時に解散するニュースが前もって出ていたので、何事もなく、平和裡に終わったデモを見届けて帰宅したら、一部が解散せず居残りを始め、警備車両への放火、警備隊による催涙弾の応対となり、一箇所、コンビニエンスストアの略奪、国会への行進と続いていきました。
警察、軍を含む警備隊の対応が良かったのか、早朝には解散となり、土曜日、日曜日と穏やかな通常が流れたように見えました。現在、新たなデモは中止(11月25日)という発表があり、少し安心していますが、いつかあるかもしれないなあ、その時はどういう対応を自分自身に、また業務として考えたいなと思います。
大勢になると働く何か、感情、行動があるのかもしれません。白い帽子に白い服を着た人達が道を埋め尽くす姿は非常事態になるかもしれない何かがこんなに身近にあることを再認識しました。災害は小さな頃から訓練してきていますが、人の起こす何か、の訓練も実地研修(?)も体験してきていません。ほんとはそんなこと、体験せずにすめば一番良いのですが。

今、ツイッター上で、映画「シンゴジラ」をテーマとしたハッシュタグで多くの人が映画を追体験しています。災害時の予行演習をしているようで、読んでいてとても興味深いのです。避難時に起こる問題を取り上げる方あり、支援をする側になる方あり。架空の話だからこそ、安全を確保した上で想像しながら起こり得ることを取り上げる。
映画がこのような新たな流れを作り出すことも驚きですが、多くの人が自発的に参加する現象に驚いています。震災後、意識の変化があったのかなと思います。

何か起こっても平静を保っていけるようにしていきたい思います。日頃から考えて。