古い衣装と久しぶりに。

久しぶりに踊ることになりました。
何を踊ろう?という時に、Jejer Jaran Dawukという東ジャワ最東のBanyuwangiという地域の踊りを選びます。元々古い儀式に使われる踊りから、Pak Zainiという方の手にかかって、華やかな踊りが登場しました。もう30年位前の作品でしょうか。当時は新作舞踊でしたが、今では伝統舞踊として扱われるようになっています。

この踊りに恋に落ちてから、初めてインドネシア舞踊のちゃんとした衣装をそろえたのです。一番多く踊っていて、痛みも出てきていますが、同じものはもう手に入らない。自分で復刻版(?)を作るしかありません。現地にもっていっても、同じものを寸分たがわず作ってほしいと依頼しないと、おそらく模様など変わってしまうでしょう。私の持っているものは古いものなのか、同じ柄のものに出合ったことがないのです。(またはグループごとに衣装を揃えるので、柄が変わってしまうのかも)
この衣装と出会って18年になりました。子供用のサイズらしいのですが、辛うじて着用できるので、この踊りが踊りたかったら、体型は変えられません(笑)


今回、腕の飾り部分と、胸周りの飾り部分と、背中の飾り部分をひもで結んでいたのですが、布に作り替えてみました。以前、ほかのグループでこの方法の衣装を見たことがあり、着替えるのも楽だったのです。それと腕の飾りは中央ジャワは金属の飾りが多いのですが、ここは布の飾りです。基本の生地はベルベット、それに金色の紙を貼って、その上からビーズとガラス管、スパンコールを縫い付ける作業です。


なんでベルベットなんだろう?という疑問に対し、オランダ人が占領していた時にベルベットを持ち込んだと聞きました。ヨーロッパならあるだろう、ここBanyuwangiのみならず、中央ジャワの王宮の舞踊や、その他地域でもベルベットは使われています。光沢のある深い黒や赤、グリーンなどが好まれて使われています。高級感があるから?と思いましたが、外からの文化がかっこいい!と思うのはいつでもどこでもあるかと思うし、オランダ人がかけていたサングラスがかっこよくて、サングラスが伝統舞踊の衣装に使われるので、なんでもチャンプール(混ぜてしまう)でフレキシブルなインドネシアの感性に驚くことがあります。


ビーズ刺繍は習ったことがないけど、修理しながらこんな風になってるとか、見よう見まねで行ってきました。今回は久しぶりなので、出来上がりはぎこちないものになってしまいましたが、前より少しは使いやすくなっているので今回はこれで良しとします。

久しぶりに練習してみると、息が上がるし、汗もかくし、運動量の多い動きを再確認。そうだ、本域で踊るといつ踊っても息が上がってた。それを涼しい顔で踊るので、呼吸のタイミングとか思い出さなきゃ。この踊りは恋の踊りなのです。雌の馬が恋に酔って揺れている、という意味と聞きました。Jaranは馬、Goyangは揺れる。(腰を揺らす時はまさにこの言葉を使います)
細かいステップも多い、馬のギャロップのイメージかな。そして軽やかさはハチドリのように、と先生から教わっています。この踊りは女性の踊りですが、通常は男女で踊るGandrungというスタイルもあり、衣装は同じ衣装。踊り手がマイク片手に歌うものもあり、それも覚えたかったのですが、この地域はUsing族なので、インドネシア語もジャワ語もお年寄りに通じず、歌の歌詞について聞けなかったことを思い出しました。あの時は、小学生の女の子がインドネシア語とUsing語の間に立って通訳してくれました。今では世代交代も行われ、Banyuwangiが観光産業に力を入れ始めているので、もうインドネシア語だけで充分だと思います。
Banyuwangiは遠い、でももう一度行きたい。バリ島経由、フェリーで行くかなあ。。。