やっちまった!

へとへとで帰ってきたら、目の前でバスが出発。
あれぇ〜、うう、次のバスまで25分も待たなきゃ。

次の時間を再確認して、夕ご飯の買い物をしてきたのですが。
まあ、その間に帰宅の人々が並び始めていました。
自分もぎりぎり座れるかなあ、なんてところに立って並んでいましたがそこに
おじさんがひょっこり現れ、列に侵入しました。
バスもタイミングよくあらわれ、
あれ!おじさん、そのまま横入りかい!


私の目の前の男の子が「並んでますよ」
と声をかけました。するとおじさんが急にどなり散らし始めました。
「ちょっと買い物行ってただけじゃないか、おれは前から
この人の後ろにいたんだ。お前みたいにずるいやつじゃねえ」
えぇ…いやいや、注意されたの、おじさんだよ。


バスに乗っても、おじさんは私の前の男の子を指さしながら
文句を言い続けていました。帰り際には見たくない光景です。
おじさん、自分に不利だから怒鳴っちゃうんだろうなあ。
一番わかってるのはきっとおじさんなのです。
すまねえな。その一言が出せるか、否か。


帰りのバスはぎっしり混んでいたのに、おじさんの前だけ
空白です。そして、なぜだかおじさんが途中で降りたのちも
その席は空いたままなのでした。
こういう時の、無言の空気はものをいう空気です。
不快感という重くべったりねっとりしたいやな空気なのです。
そしてやはり、おじさんもわかっていたと思うのです。「やっちまった」って。


こういう時のつける薬は
ご飯食べて、よく寝る。これに尽きます。
おじさんも、男の子も、わたしも。居合わせた人たちも。
明日の青空が、冷たい空気が、真新しい一日に
喜びをもたらしますように。